美術商が各地から一つの会場に集まって自分たちの扱う作品をブースに展示し、観客が一度に多くの作品を見て直接購入できる機会が美術の見本市、アートフェアである。これは美術作家の最新作発表の場であるほか、顧客同士や美術商同士による美術界動向の情報交換の場、美術商同士の売買の場にもなっている。こうしたものでは、スイスのバーゼルのアートフェア(「アートバーゼル」)は規模や来場客が巨大で、歴史も古く世界的にも名高い。各国の美術館や富裕なコレクターがここで作品を購入するほか、裕福でない老若男女も気軽に来場し美術品を購買する。アートバーゼルは近年マイアミでも開催されるようになったほか、ロンドン、ケルン、ボローニャ、ソウルや北京など欧州やアジアの都市はアートフェアを通じた自国美術市場の育成と自国美術のアピールに熱心である。日本では美術品を買う客層が薄い上、ギャラリー同士の取引には後述する交換会があることから、アートフェアが成功しているとは言いがたい。
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美術商同士が集まり美術品を持ち寄り、競りにかけて売買する「交換会」がある。これは魚市場や青果市場など同業者同士の市場に相当する。美術商は協同組合(日本洋画商協同組合ほか、各地に扱う美術品の分野ごとの組合がある)を組み、そのメンバーに承認された者は出資金を出し、さらに交換会での売買の連帯保証人とならなければならない。
しかし、交換会の意義は美術商に対する金融機能があることにある。売買が成立した場合、売れた美術商には即座に代金が支払われるが、買った美術商は数ヶ月先まで支払を延ばすことができる。